2021年12月23日
こんにちは!
「やっぱり人!」の人材育成、㈱リューズネットの高久尚子です。
リューズネットでは、小売店やショールームなどの接客サービスを調査する「ミステリーショッピング」という仕事をしています。このブログでは調査や実際のショッピングを通して経験した、良い接客、残念な接客をご紹介しています。
接客業の方々も、そうでない方々も、是非お楽しみください!
今回のテーマは、「人ならではの接客って何だろう」です。
一年の締めくくりということで、改めて「人ならではの接客」について考えてみました。
前回、笑顔は伝染する、無表情も伝染する、という「脳の鏡」ミラーニューロンについてお伝えしました。
あなたが笑顔なら、お客様も笑顔。
あなたが無表情だと、お客様も無表情。
だから、自分から笑顔を広げよう、ということでしたよね。
ミラーニューロンの働きを知ることで、お客様への接客態度がいかに重要か、理解が深まったと思います。
私も「こういう裏付けは大切~」と、改めて接客態度の重要性をかみしめました。
他人の行動を見て、自分も同じ行動を取るよう反応するミラーニューロン。
ミラーニューロンの伝染作用で、もうひとつご紹介したいことがあります。
表情ではなく、動作に関連したものです。
私達は研修の中で、「商品は両手でお客様にお渡ししましょう」とお伝えしています。
日本ならではのサービスの心、「おもてなし」を形で表すということです。
「いかにもマナー研修!所作って“綺麗に見える”以外に意味があるの?」と誰かの心の呟きが聞こえそうです(笑)。
実は意味があるのです!
「おもてなし」とミラーニューロンの関係について、資生堂が興味深い脳計測実験を行なったそうです。
お客様に商品を手渡しするときに、片手で渡すのではなく、もう一方の手を添えて両手で渡すようにすると、相手の心理面において“丁寧に感じる”という結果が導かれ、更に脳も片手と両手では異なった反応を示したそうです。
両手で渡したとき、脳の一部分の反応が大きくなるというのです!
両手で渡すことで、「おもてなし」をしようとしていることがお客様に伝わったと考えられ、お客様の心と脳を動かして満足感、快適感をつくり出す、ということが分かったのです。「接客マナー」でトレーニングされた「両手で渡す」という気遣いとさり気ない行動が、心地良さを生み出すのです。
単なる「形」だけの伝染ではなく、「形」を通して気持ちも伝わるということですね!
「接客マナー」、あなどれません。
スタッフの笑顔や所作でお客様が心地良さや満足を感じ、再来店や購入につながる可能性がある、…ということは、「接客マナー」はとても大切な人材育成策であり、また重要なマーケティング戦略の一部でもあるのですね!
「形」を整えるだけでなく心理学や脳科学を知ることで、お客様の心と思考のストライクゾーンにアプローチできれば、お客様もスタッフも幸せな気持ちになり、お互いの心地良さがシンクロすることで再来店や売り上げにもつながるはずです。
接客は形だけではなく、心と思考。
マナーの「心」や「思考」の部分にもっとフォーカスしたい、と常々思っている私。
何だかとても嬉しくなってきました!
テクノロジーの発達で、接客販売業・接客サービス業の在り方が様々に変化している今だからこそ、「人」の力の可能性、信じていきたいです。
今年もお読みいただき、ありがとうございました!
素敵なクリスマスと佳いお年をお迎えください✨
クイズ形式で楽しく学べる「ドリルメイト」に是非チャレンジしてください!
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<立ち読み版> ※「ユーザー登録/ログインなし」でご利用いただけます。 リューズネット高久尚子「覆面調査が教える 実践的 接客講座」 第16回 お客様とのコミュニケーションあれこれ 「人ならではの接客って何だろう」
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参考資料:
脳の「ミラーニューロン」がおもてなしの成功を左右する ハーバードビジネスレビュー
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